◆歯の保存-歯科疾患(虫歯、歯周病)の予防のお勧め◆
 人間だれしも歳をとり老化します。中国の歴代皇帝は不老不死の妙薬を捜し求めたことが言い伝えられています。いまでもそんな薬があったら、いくら出してもいいというお金持ちも多数おられるにちがいありません。しかし、不死とはいかないまでも、若さを保つホルモンは自分の唾液腺から出ているのです。それはよく噛めば噛むほど分泌されるので、よい歯をもっている人こそ若さを維持できるといえます,また、寝たきりだった老人に入れ歯を作ってあげて、噛めるようにしたら起きられるようになったとの話も聞かれます。長生きしても、寝たきりで流動食しか食べられないのではどんなにわびしいものか。一般には歳をとれば自然と歯は悪くなり抜けてしまうものだと考えられていますが、そんなことはありません。80才でも20本以上自分の歯を保ち、なんでも自由に食事ができる人が同世代の一割はいらっしゃいます。『歯丈夫、胃丈夫、大丈夫』という言葉がありますが、まだ元気でかくしゃくとしていられるのは歯が丈夫でなんでもよく噛めてるからに違いありません。最初に歯の・大切さを理解していただくためによく噛むことの効用を述べ、次にだれにでもできて効果のある賢い歯の手入れの三原則を挙げてみようと思います。


 

contents
◆よく噛む事の効用

  ○効用その1

  ○効用その2

  ○効用その3

  ○効用その4

  ○効用その5
◆自分の歯を悪くしないための三原則


  ○原則その1

  ○原則その2

  ○原則その3
◆ チョコレートが虫歯の原因 



◆お子さんのこんな「くせ」に注意!



《よく噛むことの効用》
 私たち歯科医は毎日歯で困っている方のお話を聞いて、何とか不自由なく咀嚼できるように、歯がなくてみっともない口元にならないように努力していますので健康な歯の大切さは身にしみてます。歯がなくなってすぐに困るのは良く噛めなくなることではないでしょうか。
 今回青葉区歯科医師会のホームページを開設するにあたってまずは良く噛むことの効用を理解していただき、ひいてはご自分の歯の大切さに気づいていただこうと思います。



*効用その1
・ガンの予防になる
 魚や肉の焼きこげに含まれる発ガン物質を唾液に30秒程つけると発ガン性が消失することが同志社大学の西岡先生により発見されました。その他多くの発ガン物質も唾液により無毒化されるとのことです。いろんな食品に発ガン性があることが次々と発表されてますが、口の中でよく噛み十分唾液に触れさせてから飲み込む習慣をつけるとガンになりにくくなるといえるでしよう。


*効用その2 
・口の中が清潔になる
 水の流れが淀んだドブは汚れますが、急流地では清潔に保たれます。ロの中でもよく噛むと食べ物や唾液が歯の周りで激しく動き、歯にゴミがこびり付くのを防いでくれます。繊維性のものなら一番いいのですが、柔らかいものでもしっかりとよく噛んで清潔に保たれるようにしましょう。


*効用その3
・肥満にならない
 女性向きの雑誌には必ず取り上げられるテーマなのであえてここでくどくど述べる必要もないかとも思いますが、よく噛んで食事をする習慣を付けると肥満になりません。これはよく噛んでいるうちに血糖値が上がってくるので、少量の食物でも満腹感が得られ、食べ過ぎるのが防げるからです。満腹感は胃に食物がいっぱいつまったからではなく、食物が吸収されて血糖値が上がる結果、感じられるものなので以上のことがいえるのです。ですからガツガツ急いで食べますと満腹感が得られるまでには、多量の食物をとってしまうことになるので太ることになるのです。



*効用その4
・頭が良くなる
 同じ遺伝子を持つネズミを2つのグルーブに分け、一方はよく噛まなければ飲み込めない固形飼料で育て、他方は粉末飼料で噛まなくてもいいように育てます。そこで、これらのネズミの学習能力を調べますと、よく噛んだネズミの方が優れていることが実験的に証明されています。人間での実験はされてませんが、学校の成績が良くなるかどうかはわかりませんが、頭の回転は速くなるかもしれません。



*効用その5
・老化防止
 唾液にはパロチンというホルモンが分泌されます。これは若さを保つのに重要な役割を果たすので、よく噛んで唾液をいっぱい分泌させればこのホルモンもいっしょに出てくるので、老化するのが防げます。よく噛めば頭が良くなると述べましたが、同じように、よく噛むと脳の血流量が増加しますので、ボケになるのを防ぎます。これはネズミではなく人間でも確かめられています。



 
 以上、よく噛むことの効用について簡単にまとめてみましたが、よく噛もうとしても自分の歯がないとやはり不自由でしょう。
次に、その大事な歯を守る三原則についてまとめてみました。

 


《自分の歯を悪くしないための三原則》
原則その1
・砂糖を近づけない
 なんといっても、砂糖は歯の一番の強敵です。いくら歯をきちんと磨いてもひっきりなしに砂糖を歯に接触させては虫歯は防げません。口の中をきれいにしているかどうかにも因りますが、いったん砂糖が口に入りますと2〜3分以内にPHが4以下に下がります。これは十分歯のカルシウムが溶ける酸度で、その状態が四十分程続きます。人が歯を失う原因は、若いときは虫歯で、壮年になると歯槽膿漏の危険性が増すのですが、若いとき虫歯に気をつけて健康な歯を残しておけば、多少の歯槽膿漏ならなんとかしのげますが、その時までに多数の歯が虫歯でいかれていればどうにもなりません。若いときから甘いもののたしなみはほどほどにしておきましょう。こどもがどうしても欲しがるようでしたら、キシリトールやパラチノースという甘味料を使用したものを与えたらいいでしよう。ジユースやコーラ、缶コーヒーなどはクッキーなどと違って歯にこびり付かないから虫歯にはならないだろうと考えるのはおおまちがいてす。乳酸飲料水をよく飲むこどもや、ひっきりなしにコーラ類を飲む男性にひどい虫歯をよく見かけます。水に溶けた砂糖が歯と歯の間の歯ブラシが届かない部分に運ばれて発見しにくく治療のしづらい虫歯を作りやすいということを知っていてもらいたいと思います。


原則その2
・歯ブラシで歯を清潔にする
 原則その1で砂糖の害について述べましたが、 砂糖を分解して歯を溶解する物質にする細菌が存在しなければ、いくら砂糖を摂取しても虫歯にはなりません。 細菌は歯の周りの歯垢といわれるネトネトした物質中に繁殖しています。したがって、完璧に歯のクリーニングができれば、 どんなに甘いものを食べても大丈夫です。しかし、これはほどんど不可能でしょう,厚生省の統計によりますと、 十年前より歯磨きをする回数は増えたようですが、虫歯はそれほど減少してはいません。はっきりいって、 歯みがきぺーストを付けた歯ブラシを口の中でかき回したところできれいになるとはかぎらないのです。 歯みがきが届きにくいところ、歯と歯肉の境目や歯と歯の間もしっかりブラシが届くようにしましょう。 下の歯の内側は特に難しいので一度鏡を見ながら確認してみましょう。 一日に一度でもいいから十分以上時間をかけてしっかりみがく習慣をつけましよう。歯と歯の間がすでにあいてしまい、 楊枝を使わないと食べかすが取れなくなってしまった方の清掃法は大変です。この部分は歯ブラシか歯間ブラシを楊枝代わりに歯と歯の間に一ケ所づつ通さなければなりません,そのコツを覚えるのは結構骨が折れますし、時間もかかります。面倒だと尻込みしないで、しっかり覚えましよう。多少の努力は必要てすが、歯を悪くして入れ歯で苦労するよりはよっぽどいいと思います。歯を悪くしてから、もっと歯を悪くしないようにするのは、病気や事故で機能不全となった人がリハビリに精をだすようなことで大変でしょうが頑張りましよう。悪くなる前に悪くしないようにするほうが何分の一かの努力ですみますし、どれほど気分がいいかわかりません。親の恩は死んでからでないとわからないといいます。歯の場合もなくならないと歯のありがたみはわからないでしょう。。しかし、わからないままでいたいものです。



原則その3
・歯にいいものをよく噛んで食べる
 歯の主成分は骨とよく似たものでカルシウムなので、歯を丈夫にしようと思ったら小魚を骨ごと食べてしまうと良いでしょう。しかし、一度できあがった歯はもうカルシウムは取り込まないので、歯が形成中の幼児期に食べておかないとあまり意味はありません。逆に言えば、母親になる女性はこのことを十分理解して、妊娠中から食べ物に注意したらいいと思います。海産物には歯を丈夫にするフッ素が含まれているのでその点からもちりめんじゃこやしらすはお勧めできると思います。実際に海辺で育った方のほうが、内陸の方より虫歯は少ないようです。噛むことの効用については前述しましたように、よく噛むことによって口の中が清潔になります。噛む必要がなくなった現代的なファーストフードはこの点からも間題でしょう。昔の人は現代人より歯をみがかなかったのに虫歯が少なかったのは、よく噛まねばならない食物だったからかもしれません。やわらかい食物でも三十回は噛むよう頑張りましょう。



〇チョコレートが虫歯の原因?
子供に虫歯ができると、チョコレートのような、甘いお菓子がかならず犯人にされます。
でも悪いのは、お菓子ではなく、お菓子の食べかたなのです。
以前、スウェーデンのある精神病院の入院患者を対象に、いろんな条件で砂糖菓子を与えた調査結果が報告されました。最初の1年間は入院患者にお菓子を全く与えずに虫歯の発生状況を確認し、その後の4年間に砂糖の与え方を変え、その影響を調査したものでした。
それによると、砂糖の量を多くしても、三度の食事のなかでとった場合は、虫歯はあまり多くならなかったのですが、それに対し、砂糖の量は少なくしたものの、間食でキャンディーを食べさせた場合、虫歯ができやすくなったのです。この実験から、砂糖の量より、とりかたのほうが問題であることがわかりました。
虫歯は、細菌がまわりの養分をとりこみ、歯の表面を酸で溶かすことでできてしまいます。
細菌を洗いながし、酸を中和し、歯を守るのに活躍しているのが”唾液”です。
下のグラフは
   @:主に三度の食事だけをとるひと
   A:頻繁に飲食するひと
の口のなかのpHの変化をあらわしています。
飲食後、口のなかは酸性(pHが低くなる:下に凹む)になっていますが、
その後、唾液の力で中和(pH7付近まで高くなる:上に出っ張る)しています。
ちなみに、pH5.5(臨界ペーハー)以下になると、歯は溶けはじめます。
食事を規則正しく摂る場合は、唾液のはたらきで、食後酸性だった口の中のpHは中性にもどってゆきます。が、のべつダラダラ飲み食いしている場合、唾液の中和する間がなく、酸性の口の中に歯が長時間さらされることになり、虫歯が進行してしまいます。

虫歯予防に多大の貢献をしてくれる唾液は、何回も良く噛むことで十分に分泌されます。
そして、三度の食事をきちんととる、生活に節度あるリズムをこころがけることが、虫歯予防の第一歩となります。


お子さんのこんな「くせ」に注意

お子さんの歯が生え始めた段階から、ご両親はお子さんの歯に注意して頂かなければなりません。
お子さんのちょっとした癖、悪い習慣などが原因になって、歯並びにまで影響を及ぼすことがあります。


指しゃぶり
指しゃぶりを4歳ぐらいになっても長期間行っていると、出っ歯になったり、上下の前歯がかみ合わなくなってしまいますので、習慣化しているお子さんは徐々に止めさせる指導が必要です。早めに歯科医師にご相談することをおすすめします。
舌のくせ
普段、舌を上下の歯の間にはさんだり、かんだりする癖や食べ物を飲み込む時に舌を前に出す癖はありませんか?
そのまま放っておくと、上下の歯の間が閉じなくなり(開咬)、かみ合わせや顎の発育に悪い影響を与えてしまいます。また、サ行・タ行・ナ行・ラ行などが発音しにくく
なったりします。気付いた時点で一度、歯科医師に相談することをおすすめます。
口呼吸
お子さんがいつも口を開けてませんか?
慢性の鼻炎や花粉症、アデノイド、へんとう炎などがあると、鼻で呼吸することがむずかしくなり、口で呼吸するようになります。
長期にわたってしまうと、いつも口をあけている習慣や、口で呼吸する場合の姿勢の関係から、歯並びや顎の発育に悪影響を与えてしまいます。気付いた時点で一度、耳鼻科に受診することをおすすめします。
唇のくせ
お子さんが長い間、下の唇をかんだり吸ったりしていると、上の前歯が出っ歯になったり、下の前歯が内側に倒れたりするようになります。また、上の唇の場合は、逆の不正状態になります。
爪・タオルなどかむくせ
お子さんが長時間、爪・タオルおもちゃなどをかんだり、なめたりしていると、下の顎を前に出たり、上下の前歯の間に物をはさむ状況になりますので、上下の歯が反対のかみ合わせになったり、歯がかみ合わなくなってしまいます。
悪い姿勢
ほおづえやいつも一方向を向いて寝ていたり、猫背などが続くとかみ合わせや顎の成長発育に悪影響を与える可能性があります。食事の時やテレビを見るときの姿勢なども注意してください。良い姿勢は、かみ合わせやあごの正常な成長発育につながる一歩です。